京都市の伝統産業指定品目
京都市の伝統産業とは、伝統的な技術および技法を用いて、日本の伝統的な文化および生活様式に密接に結びついている製品 その他の物を作り出す産業のうち、本市の区域内において、当該伝統産業製品等の企画がされ、かつその主要な工程が経られるものをいいます。
京都市では伝統産業74品目をふるさと名物として応援しています。
染織
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- 西陣織
- にしじんおり
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5〜6世紀頃、豪族・秦氏が養蚕と織物をはじめたことに起源し、15世紀応仁の乱の後に基盤を築く。
西陣織は極めて多種多様で、叕、綿、緞子(どんす)、お召、絣、天鷺絨(ビロード)等があり、多色の糸を利用し絢爛豪華な糸使い模様の精緻さを特色とする。
和装用帯を主力に着尺地、能、神官衣装、インテリアなどが生産されている。
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- 京鹿の子絞
- きょうかのこしぼり
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7世紀頃、インドから伝わった絞り染めは、17世紀には「かのこ」の名称で広く愛用される。
絹織物の生地に、多種のくくり技法と、染め分け技法を駆使した複雑多彩な模様染めである。
絞りの技法により疋田(ひった)絞、一目絞、傘巻絞、帽子絞などの種類がある。
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- 京友禅
- きょうゆうぜん
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古くから伝わる染色技法を、17世紀後半に宮崎友禅斎が集大成したことからこの名がついた。
現在、高度な技法を受け継ぐ手描友禅と明治初期に創案された型友禅がある。型友禅の出現は友禅を庶民のものにし、和装染色にゆるぎない地位を確立して今に至る。
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- 京小紋
- きょうこもん
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小紋という型染の技法を用いた友禅染で、江戸時代の武士の裃に端を発して広まった。
明治初期より好みの変化や化学染料の輸入により、単色から彩色へと変化しながら友禅染と互いに刺激しあって技法を向上させてきた。色柄も友禅のきらびやかさに比べ、落ち着きのある渋さが特徴である。
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- 京くみひも
- きょうくみひも
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奈良時代に中国から伝来し、江戸時代には庶民にも広がり盛んに制作されるようになった。帯じめ、羽織ひもを主に根付ひもなど80種近くの種類を生産。数の多さは用途の広さをもの語る。
丸台、角台など幾つもの組台を使う手仕事で、京都の文化に培われた雅な京工芸のひとつである。
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- 京繍
- きょうぬい
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その起源は平安遷都にさかのぼり、縫部司が平安京に移転した時からといわれている。貴族の繍衣繍仏、武具などに活用され発達した。
絹や麻の織物に絹糸、金糸、銀糸などを用いた刺繍は、15種類以上に及ぶ技法が使われており、平安時代の技を今に伝える手仕事の結晶である。
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- 京黒紋付染
- きょうくろもんつきぞめ
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喪服、黒絞付などに用いられる伝統技術である。
以前は紅下檳榔子黒(べにしたびんろうじぐろ)で染めたが、現在は、外国産の黒色染料を用いている。現在も赤や青に染めてから黒色染料で仕上げるのを、紅下黒、藍下黒とよび、それらは独特の風格をもっている。
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- 京房ひも ・撚ひも
- きょうふさひも・よりひも
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複数の素材を合糸し、組み上げられた組紐や撚り合わせて紐に仕上げた撚ひもは、それだけに独特の風合いと洗練された美しさを持つが、更に様々な結びを施したり、房をつけることによって、荘厳な華やかさを演出する。
神具・祭礼・仏教などの宗教行事をはじめ、茶・華道や武道、人形用等のほか、アパレルやインテリアなど幅広い用途がある。
諸工芸
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- 京仏壇
- きょうぶつだん
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起源は約1100年以前にさかのぼり、以来、京都は仏壇発祥の地として全国でも最高の品質を誇っている。
松、桧(ひのき)、杉、欅(けやき)などの木地に漆、金箔、銀、銅、真鍮(しんちゅう)などを用い、幾つもの工程を経てつくられる。いずれの工程も10世紀初期よりの伝統技法によるものである。
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- 京仏具
- きょうぶつぐ
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11世紀初頭に七条に「仏所」が設けられて以来、仏具発祥の地として仏壇と同じく全国屈指の産地である。
用途によって家庭用、寺院用に分かれるが、仏具の種類は数多く、極めて多岐にわたっている。技術も木工、金工をはじめ多種多様であり、伝統的な手工技術によって生産されている。
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- 京漆器
- きょうしっき
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奈良時代に唐から伝来した技法を基に独自の美的感覚で技術を確立する。
16〜17世紀には生産の分業化がみられ本阿弥光悦などの名工もあらわれて、茶道の興隆とともに盛んになる。
木地に桧(ひのき)、杉、栃などを使い、食器類をはじめ家具調度品類や茶道具類を生産している。
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- 京指物
- きょうさしもの
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平安時代の宮廷文化に発し、室町期以降の木器類が上流階級にもてはやされるころに専門の指物師が現れる。さらに千利休以来の茶道文化は、京指物にも大きな影響を与えた。
大別して調度指物と茶道指物があり、いずれも高級和家具・茶道具の頂点にあるといえる。
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- 京焼・清水焼
- きょうやき・きよみずやき
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奈良、平安時代にも京都で陶器が焼かれていたが、産地として発展したのは安土、桃山時代からであり、江戸時代にかけて数多くの窯が築かれた。
食卓用品、茶・華道具、置物などがつくられているが、技術、技法の多様さ、華やかさで整然とした美しさが特徴である。
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- 京扇子
- きょうせんす
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伝統産業の中には、大陸から渡来したものも多いが、扇子は9世紀ごろ日本で考案された。
木製の桧扇、次いで紙扇が生み出され、奢侈な工芸美術品として王朝社会の日常生活に深く根をおろし発達をとげた。舞扇、能楽扇、茶扇、飾扇、そして涼をとる実用扇などがある。
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- 京うちわ
- きょううちわ
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南北朝時代に中骨と柄が一本の竹で作られたうちわが、倭寇によって西日本にもたらされたといわれている。中骨と柄が別々に作られた挿柄が特徴の京うちわは、土佐派や狩野派の絵師による絵が付けられた御所うちわが初めで、徐々に一般化した。
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- 京石工芸品
- きょういしこうげいひん
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京都白川の里は古くは石工人の村として知られ、白川名石はことに有名であった。
もっとも歴史的には石器時代にさかのぼる石と人間とのかかわりが8世紀大陸文化の影響で石工芸を生み、鎌倉時代にはめざましい技術の進歩を遂げた。
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- 京人形
- きょうにんぎょう
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原型は、天児、這児である。雛は平安時代の「ひいな遊び」から始まり、江戸時代には、紙雛が出来た。江戸時代末期になると、御所人形が生まれ、これは当時の宮廷から諸大名への贈答用としても重宝された。
現在、京人形と呼ばれるものには、雛人形をはじめ、五月人形、浮世人形、風俗人形、御所人形、市松人形等がある。
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- 京表具
- きょうひょうぐ
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表具は掛軸、額装、屏風などを総称したもので、日本建築とも密接な関係にある。その技法は仏教とともにわが国に伝えられ、なかでも掛軸はそれぞれの時代の文化とともに磨かれ、室町時代にその高度な技法を完成した。
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- 京陶人形
- きょうとうにんぎょう
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昔から伏見稲荷の境内などで売られ、多くの人びとに愛されてきた伏見人形が原点である。
この伝統に新しい時代感覚と、芸術的創造力をプラスしてつくられたのが京陶人形であり、土の素材の美しさと、京都らしさを強調したものが多い。
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- 京都の金属工芸品
- きょうとのきんぞくこうげいひん
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金・銀・銅・鉄・錫・真鍮などの金属を、鎚起(ついき)、鋳金(ちゅうきん)、彫金(ちょうきん)などの技術により成形、表面加工して仕上げる工芸品である。
用途は茶・華道具、神仏具、室内装飾品、装身具などで、伝統的な手工芸技術によってつくられる。
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- 京象嵌
- きょうぞうがん
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古墳時代にわが国に伝わった象嵌は、刀剣、武具類の装飾として発達した。
掘込象嵌と布目象嵌があり、京都の象嵌は、布目象嵌が主で、鉄板の表面に布目状の刻みを入れ、金、銀を打ち込んで図案化した装身具などがつくられている。
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- 京刃物
- きょうはもの
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平安遷都に伴い、優秀な鍛冶師が移り住んだことにはじまる。その後も優秀な鍛冶師が多く輩出され、今日の京刃物の伝統を築いた。
現在、彫刻刃や鎌、包丁などがつくられているが、西陣織、京焼・清水焼など数多い伝統産業の必需道具として大きな役割を果たしている。
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- 京の神祇装束調度品
- きょうのじんぎしょうぞくちょうどひん
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神祇調度とは、神社祭礼道具であり、装束は神官の衣装のことである。
起源は平安遷都までさかのぼり、木工、漆工、金工、染織など全ての分野にまたがっている。そのため茶・華道具、仏具とともに京都の伝統産業の技術的な進歩に大きな役割を果たしている。
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- 京銘竹
- きょうめいちく
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京都は竹の名産地としての風土に大変恵まれ、この竹を加工する銘竹は古くから京都に育った伝統産業製品である。
平安時代から、柱、壁の下地、簾などの建材に使われており、京都では庭園や茶室の門や垣、町屋の駒寄、腰張など建築文化に重要な役割を果たしてきた。
京銘竹の特色は、竹そのものの持ち味をそのまま生かしているところにあり、これは素材としての京都の竹が優れているという証である。
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- 京の色紙短冊和本帖
- きょうのしきしたんざくわぼんちょう
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平安時代の歌集や詩集に端を発した懐紙が、鎌倉時代になって今日見られる色紙や短冊の形になった。
もともと宮中の大経師がつくっていたものだが、現在では、その技術を受け継いで京都でそのほとんどが生産されている。
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- 北山丸太
- きたやままるた
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京都市北部一帯で生産される北山杉。北山の磨き丸太は、室町時代、茶の湯の流行による茶室数寄屋の建築に利用され、現在でも床柱や室内装備には欠かすことのできない和風建築最高の用材となっている。
杉苗から丸太になるまで枝打ちを繰り返し40年もかかり美しい姿に育て上げる。
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- 京版画
- きょうはんが
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日本最古の木版画印刷物は、法隆寺の経文である。しかし一般的には17世紀初頭までは仏教関係の出版に使われる程度であった。
京都では江戸時代以降、挿絵入りの物語や、浮世絵、また明治時代以降は色や図柄のズレが許されない染色図案集を中心に発達してきた。
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- 京袋物
- きょうふくろもの
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人の往来が盛んになった江戸時代、京都へ来た人が好んでみやげものとして買い求めたのが京袋物。紙入れ、たばこ入れ、風呂敷、手提げなど、西陣織や京染、それに金物細工の技術が優れた商品をつくりだした。その伝統技術は、現在も受け継がれている。
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- 京すだれ
- きょうすだれ
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平安時代から「御簾(みす)越し」にと言うように、その歴史は古い。京すだれの原型は御簾である。明治時代初頭に「座敷すだれ」が考案され、日除けとしての「外掛けすだれ」とともに生活必需品として発展した。現在は、空調設備の充実など生活様式の変化とともに、京すだれは和室を演出する最高のインテリアとして使われている。
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- 京印章
- きょういんしょう
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平安京が開かれ都となった京都では、天皇御璽や役所の官印制作が始まる。
特色として中国漢時代の印章最盛期の漢印といわれる銅印の作風を受け継いでおり、漢印篆を主体とした重厚で雅味豊かな印章が多い。
現在、国家文書に利用されている天皇御璽と大日本御璽は、京都の印刻士が行司に任ぜられ制作したもの。御璽、国璽の前製作者も京都の印刻士である。
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- 工芸菓子
- こうげいがし
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神社仏閣への供饌(ぐせん)菓子、宮廷の祭事や儀式、饗宴の有職(ゆうそく)菓子、そして茶道文化の発展による茶道菓子などは、伝統的な技術と優れた感性によって、今日の京菓子を育んできた。その菓子づくりの高度な技法で、鑑賞を尊ぶ優美典雅な工芸品として、花鳥風月などを取り入れた芸術性豊かな工芸菓子をも発展させた。
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- 京竹工芸
- きょうたけこうげい
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縄文時代につくられた篭が正倉院に保存されているように、その歴史は古い。夏暑く、冬寒い良質の竹が育つ京都の気候風土。そして茶道・華道の発展とともに京の竹工芸品は質の高いものづくりをしてきた。
現在は、恵まれた素材と伝統の技術に創意工夫を加えた新しい竹工芸品も数多く作られている。
竹は一年で生長する。地球環境にもやさしい竹工芸品。
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- 珠数
- じゅず
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珠数・念珠は、仏教の伝来とともに日本に伝えられ、仏教の隆盛とともに発展し、又仏教伝来時とは異なる日本独自の珠数も考案され、現在に至っている。
珠数は仏教界における必須の道具として使用され、各宗派・僧侶・在家等の違いにより、形、玉数等が異なり、それぞれに伝統的な決まりがある。
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- 京たたみ
- きょうたたみ
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奈良時代の古事記にしばしば登場し、1300年の歴史を有する。平安時代には貴族等が権力を象徴するものとして利用し、茶道の発展に伴い、幾多の変遷を経て、一般の民衆にも広まった。
家庭用や茶室用の「一般畳」と神社仏閣で利用される「有職畳」の2種類に大別され、有職畳のほとんどは京都で生産されている。
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- 京七宝
- きょうしっぽう
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金属の上にガラス質の釉薬をのせ約750度の温度で焼き付ける。主な技法である有線七宝は、リボン状の銀線で模様を描き、釉薬を焼き付け制作する。
安土桃山時代には宮殿の釘隠し、引き手、文具等様々な物が七宝で作られ、明治時代には更なる改良がなされ、技術の高さは世界で評価された。現在では、花瓶、額、アクセサリー等が作られている。
小規模産地
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- 菓子木型
- かしきがた
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押し菓子の製造になくてはならないものに木型がある。今、全国で使われている木型のほとんどが京都の職人の手によるものだという。
材料には最低3年間自然乾燥させた桜材を用い、乾燥、木地づくり、粗彫、中仕上げ、彫り上げ、と進む。道具は刀から砥石まで、職人ひとりひとりが工夫をこらして独自のものを用いる。
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- かつら
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かつら作りは一枚の金属板を叩いて成形し、役者の頭に合わせることから始まる。ひとりひとり頭の形が違うため、人の数だけ違う型ができる。植毛は、大半は人毛が使われている。生え際の1、2本の具合で全体の感じが変わり、最も神経を使うところである。大きく映像用と舞台用に大別される。
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- 京金網
- きょうかなあみ
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京金網に使用する道具は、釘を打ちつけた台だけである。その釘に合わせて針金を編んでいく。何度でも針金をねじることができ、枠の中で好みの編み目を出せるのが手編みの持味であり、張り替えがきくのも大きな長所である。
昔ながらの台所用品のほか、近年では料理の器や小道具などに用途が広がってきている。
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- 唐紙
- からかみ
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唐から伝来した細工紙を唐紙と呼んだが、後に襖紙を「から紙」と呼称するようになった。
原材料の紙は手すきの越前和紙又は黒谷和紙である。版木は、バレンを用いないために彫りが深い。手のひらで摺るので柔らかな味がでる。
京都は、寺院や離宮など古来の木版による「から紙」が必要とされ、製紙工程や版木彫り工程において伝統的な技術が継承されてきた。
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- かるた
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百人一首や花かるたなどのかるた類が作られるようになったのは江戸時代からと言われている。以来、現在まで、そのほとんどが京都で生産され、全国に出荷されている。
かるたづくりで最も熟練を要するのは、一枚一枚刷毛で糊を塗り、生地の裏から表にへりを返して縁を作る裏貼作業である。
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- きせる
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きせるは、戦後、日常喫煙具というより、茶道具や骨董品として珍重されるようになった。前者には家元好みの型があり、後者には肉彫り、象嵌等の技を施されたものがある。
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- 京瓦
- きょうかわら
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平安建都以来、京都は瓦の一大産地として栄えてきた。第二次世界大戦後は、特殊な手づくりの瓦を中心に生産している。
京瓦の種類は700種類以上にのぼり、屋根全体を覆う地瓦より、鬼瓦、軒瓦、ケラバ瓦など役瓦が中心となっている。
丈夫で、いぶし銀のように美しい輝きを持つ手づくりならではの風合いが、京瓦の特色である。
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- 京真田紐
- きょうさなだひも
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真田紐とは、京指物・桐箱にかけられた美しい紐のことである。縦糸と横糸が織りなす模様が美しく、上品な味わいを持つ。かつては刀の下げ緒やつか紐に使われていたという。
現在では職人も減り、手づくりの高級品をつくれるのは京都だけとなってしまった。
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- 京足袋
- きょうたび
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戦前には35軒ほどあった京都の足袋屋も今ではわずかに数軒となったが、その優れた技術によって根強い需要をもっている。
生地には吸湿性のよい木綿が用いられる。伸縮性の少ない生地を用いて、しかも足にぴったりと添う足袋に仕上げるには、高度な熟練の技が必要とされる。
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- 京つげぐし
- きょうつげぐし
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髪の通りがよく、静電気も起こらず、髪を美しくすると言われるつげぐしは、永い年月と手間をかけてつくられる。原木の選定からはじまり、燻蒸、乾燥、板締、歯挽、成型と細かい作業が続く。
中でも歯挽は、一本一本櫛目を挽き、歯をトクサで摺り、さらに椋の葉で研磨し、うづくりで艶出しをする丁寧な加工から高級品が生まれる。
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- 京葛籠
- きょうつづら
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葛篭は手間のかかる工芸品である。竹を割り剥ぎ、籠を編み、角にかやを張り、和紙を張る。さらに漆を施して仕上げるが、この間の工程は全部で15。
主に婚礼用の衣装籠、呉服・茶道具両用籠等を中心に、乱れ籠、手文庫、小物入れ等がつくられている。最近では相撲力士のまわしなどを入れる「明荷」と呼ばれる衣装箱にも利用されている。
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- 京丸うちわ
- きょうまるうちわ
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舞妓、芸妓が得意先に配る名入りのうちわである京丸うちわは、一本の竹片で作られているのが特徴である。地紙には和紙を使い、一本一本手作業で作り上げている。柄の部分に硫酸で焼きつけて、文様をつけていることも特徴である。
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- 京弓
- きょうゆみ
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材料の竹には弾力性に富む山城の真竹を使う。竹の切り出し、処理からはじまって側木づくり、竹削り、貼り合わせなど仕上げまでにだいたい6工程を踏む。特に竹の処理にはたっぷり時間をかけられ、高級品になると30年を経るものもある。時には漆塗り、蒔絵を施したものも作られる。
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- 京和傘
- きょうわがさ
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かつては、番傘、供傘などがつくられたが現在では数少ない。かわって朱大傘、さしかけなどの神事、仏事、茶事、店舗装飾を用途とする傘が製造されている。
京和傘はロクロと骨のくり込み、紙貼り、頭包み、油びき、漆かけと一貫生産を特徴とする。
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- 截金
- きりかね
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截金は、まず金箔を貼り合わせる作業から始まる。こうして厚みと腰を持たせた箔を細く裁断し、仏像や仏画軸に貼り付けていく。その作業は下書きもなく、すべてぶっつけ本番。経験と勘がものをいう作業である。
今も仏教界の需要がほとんどだが、木箱の装飾など新しい用途も開発されつつある。
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- 嵯峨面
- さがめん
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江戸末期、厄除けや魔除けのお守りとして嵯峨の社寺で分け与えられたという嵯峨面。時代の変遷の中でいつしか姿を消していったが、近年復活させた。
石膏で取ったひな型に和紙を張り重ね、下塗りした面に色絵具を何回も塗り重ね、彩色している。
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- 尺八
- しゃくはち
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尺八の素材は竹、塗りは漆を原料とする。完成品の値段は、竹を掘った時点で決まるほど、竹選びは重要である。その後4年ほど寝かせて加工する。音にも流行があり、それに合わせて内径の取り方を工夫する。
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- 三味線
- しゃみせん
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木材は、インド産の紅木などを使っている。三味線は、使う人の手の大きさ、技量に合わせて作る。製造してから年が経てば経つほど良い音になる。木材切断、研磨、艶出し、漆入れ、皮張り、糸掛けなどの工程のうち、特に皮張りは三味線の命であり、最も神経を使うところであり、ギリギリまで張りつめる。
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- 調べ緒
- しらべお
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調べ緒とは、能楽、歌舞伎、長唄、民謡などのお囃子に用いられる小鼓、大鼓、太鼓に使われている麻紐のことで、調律の役目をする。
日本麻を原料とし、麻の仕入れから完成まで、25もの工程を経る。桃山時代から現在に至るまで、昔ながらの手法で仕上げた高級品が使われている。
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- 茶筒
- ちゃづつ
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現在茶筒のほとんどが機械生産でできている中、一貫した手づくりの茶筒は130余の工程を経てできあがる。蓋を茶筒の口に合わせると自ずと閉まる緻密さは手づくりならではのものである。
地肌を生かした塗装のない銅製やブリキ製の「生地物」は茶筒本来の渋い美しさを持ち、使い込むうちに素材独特の色の変化を楽しめる。
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- 提燈
- ちょうちん
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提燈は、製法上、一周づつ止めていく「一本掛け式」と螺旋状に巻いていく「巻骨式」に分かれている。竹は、両者とも、丸骨、平骨が使用される。
京都では古くから上・下に取り付ける側、提燈本体、仕上げ、とそれぞれの工程を分業によって支え、上質の提燈を作り上げてきた。
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- 念珠玉
- ねんじゅだま
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玉の種類は、大きく分類すると、ガラス、木の実、香木、貴石と多様であるが、菩提樹や白壇、伽羅の香木を主としている。一枚の板から木取りし、丁寧にくり抜いた玉を一粒ずつ磨いて、自然のつやを出す。
念珠の玉の数は、基本的に108個であるが、14〜1080個まで様々であり、玉の一つ一つに意味がある。
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- 能面
- のうめん
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能舞台で使われる能面は約80種類ある。素材は檜で叩き鑿(のみ)、各種の彫刻刀で打ち上げる。表には胡粉を膠で溶いたものを塗り重ねサンドペーパーで丹念に磨く。目・眉・髪は墨で描き、唇は朱墨や紅で表情をつくってゆく。
能面は「彫刻」と「絵画」の融合した工芸であり、裏の漆塗り、目・歯入れの金工、髪・髭の植毛等各種の技法を必要とする工芸である。
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- 花かんざし
- はなかんざし
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今では髪を結う人も少なく、花かんざしの需要のほとんどは花街からの特別注文である。
羽二重、和紙、平糸、針金などを材料とし、作業はすべて手作り。羽二重は染めに出し、和紙、平糸は自店で染める。染め上がった羽二重をいろいろなタガネで花びら等の型に打ち出し、きまりに従って美しく仕上げていく。
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- 帆布製カバン
- はんぷせいかばん
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帆布とは1平方メートル当たり8オンス(約227g)以上の厚布のことである。帆布製カバンは明治時代に実用性を高め、ファッション性の高いデザインにより広まった。綿帆布・麻帆布を一枚ずつハサミで裁断し、職人がミシンで縫い、金具の取付などの仕上げもすべて手作業である。
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- 伏見人形
- ふしみにんぎょう
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全国90種類以上もある土人形の中で、伏見人形の系統をひかないものはないと言われるほど我が国の土人形の元祖であり、民俗的な美しさを誇っている。
原型から型を起こし、生地おこし、仕上げ、焼成、彩色などの工程を経て完成する。昔は分業していたが、今は全工程を1人で行っている。
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- 邦楽器絃
- ほうがっきいと
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三味線や琵琶、雅楽器などの邦楽器の絃は、今もそのほとんどが生糸で作られる。なかでも滋賀県北部でとれる生糸が最高とされている。
製法は撚りと引き伸ばしの繰り返しによって仕上げられるが、各種の用途に適した一定の音色を保たねばならず、高度の技術と経験を要する。
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- 矢
- や
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竹矢の特性は、太さ、重さ、長さ、しなりの良し悪し、バランスなどの条件を、射手の個性や好みに合わせてつくることができる点にある。一般の矢の他に、儀式に使う式矢があり、鏑矢、蟇目、神頭矢など、有識にのっとったものは10種類以上にのぼる。
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- 結納飾・水引工芸
- ゆいのうかざり・みずひきこうげい
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京都御所で紡ぎ上げられた儀式風習が現代に受け継がれた中に結納飾・水引工芸がある。
主なものとして、松竹梅鶴亀、関連する飾り、料理・和菓子等に添える飾りなどがあり、いずれも結納儀式に不可欠なものである。最近はインテリアとしての飾りも作られている。
水引は100種類ほどあり、結び、曲げ、組み、編みなどの工程を経て全て手で作られる。
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- 和蝋燭
- わろうそく
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西洋蝋燭の普及で一時不振だった和蝋燭も、近年仏事用の法灯や、お茶事で夜話が復活し、数寄屋蝋燭としての需要も高まり、見直されている。
製造法は和紙に藺草の髄を巻いた芯にハゼの実から採取したロウを塗り込めていく独自の技法で、油煙の少ない純植物性の浄らかな炎がめらめらとゆらぎ、美しさを表現する。
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- 京こま
- きょうこま
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安土桃山時代頃に、上流階級の女性達の遊び道具として作られたのが京こまの始まり。
着物の布や綿紐を巻いて作られ、その質感と色彩の美しさが特徴。指先だけで回しやすく畳やお膳の上でもよく回る、室内遊戯専用の座敷独楽である。芯棒作り、平紐作り、胴巻きに続き、形を整え、固定させて仕上げる。場合により、金糸や絵付けなどの装飾を施す。
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- 額看板
- がくかんばん
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製造工程は、まず荒木を寸法取りして看板木地を作り、毛筆の原稿を貼り、彫刻する。それから彫刻された文字に下地をし、彩色または漆を塗って金箔を押す。彫られる文字は、昔は書家の文字を利用している。文字を浅く丸く彫ることがポイントである。
食品
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- 清酒
- せいしゅ
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京都では、酒づくりに適した良質の地下水に恵まれ、平安京が造営された頃から酒づくりが始まったと言われる。特に江戸時代に伏見港が整備されてからは、原料の米が大量に入るようになって、伏見を中心に産地が形成され、更に明治時代に鉄道が開通すると、京都の清酒は全国に運ばれ、その名が広く知られるようになった。
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- 京菓子
- きょうがし
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京の菓子は生菓子、半生菓子、干菓子に大別されるが、その用途や成立ちによって、祭事や冠婚葬祭に用いられる儀典菓子、季節ごとに楽しまれる季節菓子、茶の湯に用いられる生菓子、干菓子、観光客や市民の手土産に使われる贈答用の菓子等に分類される。
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- 京漬物
- きょうつけもの
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今から800年ほど前、「平家物語」で有名な高倉帝の皇后、建礼門院徳子が聖徳太子が建立した大原の寂光院に御閑居の折に、建礼門院を慰めようとし、しそと漬け込んだ夏野菜の京漬物を里人が献上したしたといわれる。
種類は多岐にわたるが、原料は可能な限り京都産を使用することとし、伝統的な製法にて製造されている。
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- 京料理
- きょうりょうり
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源流は、御所、公家に伝わる「有職料理」、武家を中心とした「本膳料理」、寺院の斎食作法から生まれた「精進料理」、茶の湯とともに発達した「懐石料理」など多様な料理が体系的につながり、融合し、1200年王朝の土壌に培われ今日の京料理となっている。
「季節を五感(見た目の美しさ、香り、美味しさ、肌合い、心)で味わう」料理と定義づけられる。
その他
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- 造園
- ぞうえん
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石、木、草、砂、苔…、あらゆる自然の要素が、庭という空間の中に、ある意味で、あらゆる約束事をもって配置されているのが造園である。自然の素材を取り入れて、日本人特有の美意識に裏打ちされた小宇宙を創作するこの作業は、手仕事をもとにしたスペースデザインともいえる。
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- 薫香
- くんこう
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貴重な漢薬香料を複雑に調合することで、無限の香りが生まれる。宗教の香・茶席の香・趣味の香など、現代楽しまれているさまざまな香製品は、王朝時代以来の京文化を母体とするもの。
高級な原料を用いた香りの良い細くしなやかな線香は、特に「京線香」のブランドでも知られる。
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- 伝統建築
- でんとうけんちく
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1000年の都であった京都では,宮殿,社寺,城郭,殿舎,山荘,住宅,茶室など,各種の建築が発達し,それぞれの技術も厳しい練磨を重ね,外来の技術も巧みに和様化された。
今に継承された宮大工,町屋大工,数寄屋大工,板金や左官などの匠の伝統的技術は,日本を代表する文化遺産である。
公益財団法人
京都伝統産業
交流センターとは
平安建都以来、千余年にわたり日本の政治、経済、文化の中心であった京都では、宮廷を中心に広がりを見せたみやびの文化、茶道や華道に代表される精神性の高い文化、市民の暮らしに根差した生活文化が育まれ、それらの文化を支える高度な技術や優れた意匠を有する様々な伝統産業が誕生し、磨かれ、受け継がれてきました。そうした京都の伝統産業は、京都の基幹産業として発展し、さらに,日本各地の伝統産業に大きな影響を与え続けてきました。
しかしながら、今日、京都の伝統産業は、人々の生活様式の変化、大量生産・大量消費の社会経済システム、安価な海外製品の流入などによって、多くの業種においてかつてない厳しい状況下にあります。
当財団では、長きにわたり伝統文化を支え、ものづくりと雇用を支えてきた京都の伝統産業を活性化させていくため、伝統産業の従事者や行政との連携のもと、未来の担い手・使い手の育成、伝統産業製品の生活回帰・定着の促進、作り手が行う伝統産業活性化の支援など、様々な普及、啓発活動を行っています。
財団概要
- 名 称
- 公益財団法人 京都伝統産業交流センター
- 主たる事務所
- 京都市左京区岡崎成勝寺町9番地の1京都市勧業館内
- 法人成立の年月日
- 昭和52年3月29日
- 代表理事
- 田中 雅一
- 役員
- 評議員7名 理事8名 監事1名
- 基本財産
- 1,100万円
事業・決算報告
事業計画書 / 実績報告書 / 財務状況(予算書・決算書)PDF
- 令和6年度
- 令和5年度
- 令和4年度
- 令和3年度
- 令和2年度
- 令和元年度(平成31年度)
- 平成30年度
- 平成29年度